栗の全てを図解で紹介。

「栗 - くり」の語源
 栗の語源は、「黒い実」を表す「クミ」がもとになったという説が有力ですが、その他にも梵語の表現「黒=クリ」や、「ク(組み合わさる)+リ(もの、状態)=殻の中にいくつかの栗の実が並んでいる様子」を表現したというような諸説があります。栗の字は毬を表す象形文字から由来しており、いづれにしてもかなり古くから「くり」という音として暮らしの中で親しまれてきました。

強烈なにおいを放つ雄花
 栗の花はちょうど梅雨時に満開になります。長い花穂は雄花の集まりで、4〜5mmの長いおしべが集まり、長さ10〜20cm黄白色の尾状花穂となり垂れ下がっています。花穂の外観は毛虫のようで、何にもましてあの独特の強烈な臭いが人を寄せ付けないためか、雄花の根本に咲く雌花の存在はあまり気づかれないようです。雌花は直径3mmほどの総苞に2〜3個入っています。この花が成長してあの艶やかな栗になるのです。



くり【栗】chestnut(英)
 
ブナ科に属する落葉高木。樹皮は暗褐色。葉は、長さ8〜12センチメートルの長楕円形、刺状の鋸歯があり、互生。6月頃花穂を出し淡黄色の細花をつける。単性花で雌雄同株。果実は「いが」で包まれ、食用・菓子などにする。木材は耐久・耐湿性が強く、家屋の土台などに使われる。